IT業界

Webサイトの個人情報保護が強化!ChromeブラウザのUser Agentの廃止について解説!

こんにちは、Takamiです!

IT業界の近年の潮流として、「個人情報保護の強化」に対する取り組みが加速しています。

これはWebサイトにおいても同様で、これまで取得できていたサイトを閲覧したユーザーの情報取得が徐々に制限されてきています。その中でも最重要トピックの一つに「Google ChromeのUser Agentの廃止」があります。

今回はUser Agentとは何か?という点も踏まえ簡単に解説していきます!

User Agentとは

User Agent(ユーザーエージェント)とは「ユーザーが使用するOSやブラウザの種類、バージョンを判別できる情報」のことを指します。

ブラウザ(Chrome、Edgeなど)を使いサイトにアクセスした際、User Agentに関する各種情報が、相手側に通知される仕組みになっています。つまり、サイト側はUser Agentを見ることでユーザーのOS、ブラウザの情報を取得して利用・分析に用いることができるわけです。

しかしGoogle ChromeにおいてはUser Agent文字列の利用を段階的に廃止することが決定しており、2023年4月頃には廃止が完了する予定となっています。

User Agentの利用方法

Webサイトやその運営者ではUser Agentを次のように利用しています。

  1. OS・ブラウザの種類に応じたコンテンツの出し分け
  2. 特定のOS・ブラウザバージョンおけるバグ回避
  3. ブラウザの利用状況の把握

具体的な例を挙げると、PCとスマホで画面のレイアウトの違う画面を出し分けしたい場合に利用されたりします。iPhoneであれば下記のようにUser Agent上に「iPhone」という記述があるため、こちらを参照して画面を出し分けることが可能です。

Mozilla/5.0 (iPhone; U;...Safari/6434.18.5

なぜUser Agentは廃止されるのか

User Agentが廃止される背景には、「フィンガープリント」という技術の登場があります。

現在Webサイトにて扱われる「cookie」という情報が個人情報保護の観点で利用を避けようという動きが高まっています。その中でcookieに代わる技術として登場したのが「フィンガープリント」です。

フィンガープリントを簡単に説明すると、ユーザーのソフトウェア・ハードウェア・ネットワーク利用状況の特徴から個人を「推定する」技術およびその情報のことを指します。cookieのようにブラウザから直接ユーザーを識別しているのではなく、あくまで特徴から「おそらくこのユーザーだろう」と推定された識別子にすぎません。

そして、このフィンガープリントの推定に必要なユーザーの特徴の一つとしてUser Agentが利用されています

そのため、このままだと個人識別のための情報であるUser Agentをサイト側が自由に取得できるという状況ができあがってしまいます。こういった経緯から、ChromeではUser Agentをサイト側が取得できないように動いているというわけです。

さいごに

今回はUser Agentの廃止について解説していきました!

個人情報保護の潮流は今後ますます強くなっていくことは間違いありません。

しかし、Webサービスを運営していくなかでユーザー分析は欠かすことができません。

ITサービスに携わる者としては、ユーザー分析手法の動向について常に情報をアップデートしていかねばならないと感じるばかりです。

以上、Takamiがお送りしました!