こんにちは、まさかめです。
最近、以下のような言葉を聞くことが多いと思います。
「データをビジネスに活かすことが重要」
「KKD(勘・経験・度胸)からデータドリブンへ」
ビジネスへのデータ活用が進んだよね
そのような状況では、データを分析しビジネスに活かすことが求められますが、
以下のような人もいるのではないでしょうか?
そこで、この記事ではデータ分析ができる人材になるために
必要なスキルと考え方を解説します。
データ分析とは?
そもそもデータ分析とは何か。
売上などの情報をグラフにすることがデータ分析なのでしょうか?
それとも、Webサイトの回遊率を算出するようなものなのでしょうか?
僕としては、どちらもデータ分析であるし、データ分析とは言えないと考えます。
そもそもデータ分析を行うということは、
何かしらの意図があるはずです。
例えば自社サイトのCV数を増加させたいという目的であれば、
「CV数を増加させるために何をするべきか」を分析から導く必要があります。
また、現状のCV数が好調かどうかを判断したいという目的であれば、
「CV数を前月や前年と比較してどれくらいの伸び率なのか」を導くことが求められるかもしれません。
これらのように、データ分析とは数字を確認することではなく、
目的に沿って数字を算出し、そこに解釈を与えて意思決定をサポートしていくものだと考えています。
Webサイトを例に考えると蓄積されていくデータは以下のようなものがあります。
流入経路 | ユーザーがどこからサイトに訪問したか |
---|---|
閲覧ページ | ユーザ-がどのページを閲覧したか |
CV | ユーザーが問い合わせなどのサイトで設定されたゴールにたどり着いたか |
どの流入経路からやってきたユーザーのCV数が多いのか、
どのページのCVRが高いのかなどをとりあえず確認することにあまり意味はありません。
しかし、下記のような意図がある場合は「どの流入経路からやってきたユーザーがのCV数が多いのか」が意思決定のサポートに繋がります。
そのため、やっていることは同じでも、
目的があってデータから意思決定をしていく作業をデータ分析と捉えています。
データ分析の重要性
さて、先程はデータ分析とはどういったものなのかを説明しました。
次は「なぜデータ分析が重要なのか?」といったことについて説明します。
データ分析が重要である一番大きい理由は、
「目的を達成する確率が高くなる」からだと考えます。
例として、
サイトのCVRを1%以上にするという目的を持ち、
CVフォームの設計を行っているシーンを考えます。
データを参考にせずCVフォームの設計を行っていく場合、
こういう設計にすればユーザーは使いやすいだろうと勘や経験で判断していくことになります。
その結果、目的であるCVR1%以上を達成できなかったときにどういう改修を行うべきかわからなくなります。
次に、データをもとにCVフォームの設計を行っていく場合、
これまでのデータから最適と考えられる設計を行い、
CVRを確認していきます。
最初にコレで行こうと考えたCVフォームの設計でCVR1%を達成できなかった場合、
CVフォームのどこで離脱が多いのか、そもそもCVフォームにたどり着くアクセス数が少ないのが問題なのか、というように次の施策に繋がります。
また、実際にCVしたユーザーの動線とCVしなかったユーザーの動線を比較することで問題が見えてくるかもしれません。
このように、データを用いるかどうかで目的の達成の難易度が変わってきます。
そのため、データドリブンでビジネスを進めていくことが重要と言われています。
なんて話もよくあるよ。
データ分析に求められるスキル
では、データ分析を行っていく上ではどういうスキルが求められるのかを説明していきます。
僕が感じているデータ分析で求められるスキルは大きく以下の3つです。
- 要件定義力
- 分析力
- 解釈力
要件定義力
まずは要件定義力です。
要件定義とはデータ分析を行う際に、
どういった目的のもと何をしていくか明確にすることです。
この要件定義において、分析依頼者と分析者の認識にずれが生じると
どれだけ工数をかけて分析を行ったとしても無駄なものになってしまいます。
でも実際の現場でもそういったことはとてもよくあるよ。
どちらの立場としても全く嬉しくないし、時間も無駄になるから要件定義はしっかり行おう!
分析力
次に分析力です。
要件定義でどういった分析を行うか明確にしたあとに、
しっかりとデータを集めて結果を算出できるかどうかに関わります。
具体的には統計学的知識やデータ抽出スキルとしてのSQL、
データを加工するpythonなどの力が必要になります。
重要なのはそれだけじゃないことは忘れちゃだめだよ!
解釈力
最後に解釈力です。
データ分析を行い算出された結果から、
どういった意味を見出すのかという数字を解釈する力を指します。
この解釈がうまくできないとどれだけデータ分析を行っても
実際の意思決定には繋がらず、使われない分析となってしまうこともあります。
数字からアクションを促すだけの解釈をするには、
分析対象に対する知識や問題把握、ビジネス的視点なども関わります。
実際のデータ分析の流れ
さて、ここからは実際にデータ分析を業務として行う場合、
どういった流れで行っていくのかを順に解説していきます。
- 目的設定
- 仮説設計
- データ収集
- データ分析
- 分析結果の解釈
- 結果共有
- アクション
目的設定
これまで何度も話に出てきている目的設定を最初に行います。
この目的設定が的確かつ、
関係者間で相違がない状態でなければその後の作業は全て無駄になってしまうほどの重要な工程です。
目的は明確でわかりやすいものが望ましいです。
ここでは「サイトのCV数を増加させる」ことを目的として設定したとします。
仮説設計
次に目的に対する仮説を考えていきます。
先程例として設定した「サイトのCV数を増加させる」ための仮説を考えていきます。
CV数は以下の式で算出されます。
CV数 = アクセス数×CVR
ここで仮説として、
「アクセス数は増加しているがCVRが低下しているためCV数が増加していない」と考えたとします。
データ収集
次に仮説を検証するためのデータ収集を行います。
データ収集を行うためにはSQLというデータベースからデータを抽出するための言語を用いることが多いです。
詳しくは以下の記事で紹介していますので参考にしてください。
データ分析
「アクセス数は増加しているがCVRが低下しているためCV数が増加していない」という仮説を検証するためのデータが集まったら、実際に分析を行っていきます。
具体的には以下のようなことを考えながら行っていきます。
- アクセス数は本当に増加しているのか?
- 増加しているページと減少しているページがあるのではないか?
- 減少しているページがCVに関わるページなのではないか?
- CVRは本当に低下しているのか?
- PC、スマホの両方でCVRが低下しているのか?
- どのページにおけるCVRが低下しているのか?
- どの流入経路からきたユーザーのCVRが低下しているのか?
ここで、アクセス数は順調だけれども、
スマホユーザーにおけるCVRが低下していることがわかったとします。
その後は、どうしてスマホユーザーのCVRが低下しているのかに対して仮説を設定し、これまでと同様に検証していきます。
分析結果の解釈
分析結果をの解釈とは、
データ分析を行い算出された結果から、
どういった意味を見出すのかを考えていく工程です。
先程の分析によって、スマホユーザにおけるCVフォームの離脱率が大きいことがCVR低下の原因であることを突き止めたとします。
そこで、以下のような追加情報を加味しながら結果の解釈を行っていきます。
- PCと比較してスマホを使用してアクセスしてくるユーザーの割合が大きいこと
- PCとスマホそれぞれでCVフォーム最適化を行っていないこと
- 競合サイトのスマホ版CVフォームのUIUXが非常に優秀であること
スマホユーザは年々増加しているにも関わらず自社サイトのCVフォームはPCとスマホが同じデザインであり、スマホユーザーによって非常に使いづらいものとなっている。
また、競合サイトではスマホユーザー増加に対する施策としてスマホ版CVフォームのUIUX改修を行っている
これらのことから、スマホユーザは自社サイトにアクセスをしてくれているが、CV直前で逃してしまっている状態であり、その後競合奪われている可能性がある。
よって、スマホ版CVフォームのUIUX改修を行っていくべき。
結果共有
ここまでで目的に沿った分析とその解釈を行いました。
次に重要なのが結果の共有です。
データ分析者によくある課題として、
結果をうまく伝えることができないというものがあります。
広く深くデータを確認してきた分析者にとって、
それらのデータは理解済みであり頭の中で整理されています。
しかし周囲の関係者はその数字を見るのが初めてであることがほとんどです。
ここで各々の理解度の違いから結果をうまく共有できないことがあります。
データ分析者は、誰にでも伝わる説明能力が必要です。
数字を細かく伝えすぎない、不要なものは伝えないなど、
とにかく聞き手の理解度を考慮する必要があります。
先程の例で考えると、
「サイトのCV数を増加させる」ために
「スマホ版CVフォームのUIUX改修」を行うべきという結論に至った理由さえ説明できればOKです。
それ以上細かく知りたい人には別で詳細を伝えるのは良いと思いますが、
関係者全員に分析のすべてを伝える必要はありません。
アクション
そして、分析からアクションに繋がった場合、
そのアクションで目的が果たされたのかをモニタリングしていきます。
先程の例で考えると、
スマホ版CVフォームのUIUXを改修したことで
本当にサイトのCV数が増加したのかを検証していきます。
結果としてどうなったのかをしっかり検証していこう!
これで目的が果たされなかった場合、じゃあ別の打ち手としてどういったものが必要なのかを考えていく必要があるからね。
まとめ
この記事では、
データ分析ができる人材になるために必要なスキルと考え方を
実際の現場の流れとともに説明してきました。
分析は、分析自体よりもその前後にある目的と結果が重要です。
とにかく分析を行うこと自体が目的にならないように気をつける癖を身に着けましょう。